健康寿命の延伸の取り組み

200万年前に人類の先祖が登場したころの平均寿命はわかりませんが、日本の江戸時代は30代、1947年に50歳代前半、戦後間もない1950年過ぎにちょうど60歳くらい、今女性は80代後半です。
日本の百寿者(100歳以上の方のことです)人数は1963年たったの153人でしたが2020年は8万人を超えています。これもとても急な変化ですよね。これは、60代の死亡が減り、70代の死亡が減り、80代の死亡が減り、そして90代の死亡が減ってきていることによります。脳卒中や心筋梗塞やがんでの死亡が減ってきているんですね。
そして今、今後100歳まで人生をどう楽しむかを考える時代です。そのためにはどうしたらよいでしょうか?
百寿者がたった153人で平均寿命も70歳にも届かなかったころの食べ方や生活の仕方では、寝たきりか人のお世話を受けながらの生活しかできなくなります。骨や筋肉が足りなくなって、そしてこころの元気も足りなくなって、100歳まで体を支えられないんですね。
今元気がなくなってきている方、100歳までの人生を自立してゆけるかどうか心配な方、弱ってきている両親の介護不安を抱えている方に、どんな食べ方や生活の仕方が役立つのかをどんどん進歩する医学情報にもとづいて情報提供してゆきます。

子育て支援の取り組み

これまでどれだけ多くのリウマチ性疾患の患者さんが病気のために妊娠すること、育児をすることをあきらめてきたでしょうか?
妊娠が可能な年代にリウマチ性疾患になり、治療を要する方々は少なくありません。
しかし、医療はもとよりリウマチ性疾患の診断・検査・治療も日々進歩しております。そしてとても早い時期に診断・治療を開始し、病状を安定させることで妊娠したり、育児を行っている方々が増えています。
私たちは大阪南医療センターで、“妊娠・育児を考えるリウマチサークル“を立ち上げ年2回、妊娠希望や妊娠中、産後育児中のリウマチ性疾患の患者さんにお集まりいただき専門職による講演や座談会を行ってまいりました。こういった機会はわたしたち自身も学ぶ絶好の機会となりました。医療の提供者は、病気と妊娠のことや薬と赤ちゃんのことに目を奪われがちですが、様々なご意見を頂戴し、実生活における子育て時の細かな苦労とこころの悩みを知りました。そしてそれらを率直に受け止めて改善に取り組んでいます。まだまだ理解が行き届いていない点も多々ありますが、一つひとつ改善できるところから改善をして、一人でも多くのお子さんを、一人でも多くのお母さんを、”病気があるから”じゃなく、”病気があっても”何の問題もない新しい時代に向かうように、情報発信を積み重ねてゆきたいと思います。

リウマチ性疾患の取り組み

リウマチ性疾患にはいろんな病気が含まれますので、ここでは私たちが実際に患者さんを診ている病気、関節リウマチ、変形性関節症、慢性疼痛、いろんな合併症をもった患者さんに生ずる骨粗しょう症、エーラスダンロス症候群(関節が緩いために身体機能低下をきたすとともに、循環器などほかのさまざまな病気も伴います)などでお困りの方が、役に立つ情報を提供しようと思います。
皆さんがお困りのことで共通することの一つとして、一つの専門分野の情報は入るけれども、いろんな面での知りたい情報が入りにくいようです。そのような方に、「病気だけを治すのではなく、病気で苦しむ人を治す」という「全人的医療」の視点をもってわかりやすく情報を提供します。
また、「全人的医療」の視点をもった医療従事者を育てる活動も本NPO法人では取り組んでいます。