「70%」、これより低い人はすぐにお薬での治療をはじめなさいという数字です。
あなたの将来を骨折から守ってくれるお薬です。
何の70%でしょうか?
腰あるいは足の付け根の骨密度が、20代の健康な人と比べて70%という数字です。これ以下になれば、100歳まで骨折なしで生き抜くことは難しい、という数字です。腰の骨の数値が低ければ、背中の骨が潰れやすくなり、足の付け根の骨の数値が低ければ足の付け根の骨折をおこしやすくなります。
背中の骨の骨折は60歳くらいから起こり始め、70代の10年間で女性の5人に一人は骨折しています。その後も年齢とともにずーっと増え続けます。骨密度が低い腰の骨が潰れるのは、空(から)の段ボール箱の上に座ると潰れるのと同じです。ご自身の重みで自然に潰れるようになってゆきます。痛みを感じるのは半分以下の方で、半分以上の方は「知らぬ間に骨折」です。いずれであっても背中が曲がりお年寄りっぽい姿勢になったり、背が低くなったりで、体の中の体積は小さくなります。すると、大きく息が吸えなかったり、たくさん食べれなくなることで、次第に弱ってゆきます。その後の10年をみますと、骨が潰れていない方に比べて、1割ほど多く亡くなられています。背中の骨が潰れないようにして、若々しい姿勢で、はつらつとした生き方を保ちたいですよね。
足の付け根の骨折は70歳を超えたころから起こり始め、80代以降に急速に増えます。日本では毎年十数万人がこの箇所を骨折しています。自分で歩けなくなるので、歩けるようにするために手術をします。手術をしても骨折前よりも歩く能力は低くなります。中には歩けるようにならない方もいます。また骨折をきっかけとして体調を崩し、1年以内に1割以上の方が亡くなられています。
あなたのまわりにも、このような背中や足の付け根を骨折した方はいらっしゃるのではないでしょうか?それは15年、20年前には骨折をしっかりと防いでくれるお薬がなかったからで、残念ですが仕方がなかったことです。でも今は、こんな骨折を防ぐお薬が何種類もあります。
まずは、あなたの腰と足の付け根の骨の量を測ってみてください。測ってもらえる病院や医院は今たくさんあります。手やかかとの骨密度はほとんど参考にならないので、腰(腰椎(ようつい)と記載されています)と足の付け根(大腿骨近位、股関節と記載されています)の骨密度を測ってくれるところを探してくださいね。
腰あるいは足の付け根の骨密度が若い方の70%以上あるかどうかを知る、これは予防医療の原点です。