【13】「どうして歩数が減るの?」

【13】「どうして歩数が減るの?」

2021.07.20

はじめに

年齢とともに身体活動量は低下します。そして歩数も減ってゆきます。脳梗塞や骨折をすると急に歩数は減りますが、このようなエピソードがなくても歩数は次第に減ってゆきます。どうしてでしょうか?その理由を知っておくことは、身体機能を維持する上でとても役立ちます。

大きな要因の一つが「痛み」です。生活に支障をきたす痛みだけでなく、生活に支障を感じていない痛みも、歩数が減る原因となるので、高齢の方は注意が必要です。

たくさん歩くと感じるけれど、歩く量を減らせばなくなる痛みに要注意!

たくさん歩くと腰が痛くなる、膝が痛くなる、ということがあっても、歩く量を減らすことで痛みを解決することはできます。日常生活もあまり困らないかもしれません。
しかし歩数は減った生活になります。60歳や70歳で歩数が減った生活を続ければ80歳や90歳で歩ける可能性はどんどん減ってゆきます。歩数が減ることによる影響で筋肉が衰えて次第に身体機能を落とす原因となります。「たくさん歩くと痛みが出るけれど、痛みが出ない歩数で生活に支障なし」は人生100年時代の状況に合っていないのです。

これは私を含め昭和の時代を生きてきた多くの方が陥りやすい落とし穴です。

一時的な痛み、ちょっとした痛みに要注意!

一時的な、あるいはちょっとした痛みでも歩数は減ります。
足をぶつけて歩くと痛い、巻き爪や靴ずれで痛い、足をひねって痛い、重いものをもって腰が痛い、歩きすぎた後の筋肉痛など、いずれ治る痛みであっても、痛みがある期間は歩数が減ります。例えば、ガラス片を踏んで足の裏が切れてしまったら痛みのために歩数は減ります。この際に「歩かないと筋肉が弱るので痛いのを我慢して歩いてね」という指導をされてもなかなか難しいのではないでしょうか。

さらに肩が痛い、頭が痛い、お腹が痛いなど、足以外の部位の痛みでも歩数は減る方向に向かいます。お腹が痛いけれど、あるいは肩が痛いけれど今日はたくさん歩いたという方はあまりいないのではないでしょうか。

全身のどの部位の痛みでも生活の活動量は減る方向になります。高齢者にとってはこれが頻回に起こると問題となります。高齢者は若い人と比べて、筋肉は失いやすく回復しにくいという特徴があります。一時的な運動量の低下でも、すぐに筋肉を失い、その失った筋肉が回復するのに若い人よりもずっと長い時間が必要ということです。

そして残念ながら、高齢になるにつれて腰も膝も足も肩も首もいろんなところに痛みを感じることが増えます。

覚えていない落とし穴

過去1年間に、足をぶつけて痛くなったことが何度ありましたか?いつありましたか?と聞かれて、すらすらと答えることができる高齢の方はほとんどいません。ガラス片を踏んでしばらく歩きにくかったことも、歩きすぎて腰が痛くなったことも、一時的な痛みはすべて忘れてしまいます。そしてこれが正常のことです。ずっと覚えていて引きずっている方が問題です。若い方でもいろんな際にいろんな痛みを生活の中で経験していますが、すべて忘れ去ってゆきます。

ひとは忘れることで今をしっかりと生きることができます。ですので、一時的な痛みがあったことを覚えておきましょうというのではありません。覚えていなくても痛みのために身体活動量、歩行量が減ってしまっていることを知っておいて下さい。

まとめ

年齢とともに身体活動量や歩数が減る大きな要因が「痛み」です。
生活に支障をきたす痛みだけでなく、生活に支障を感じていない痛み、一時的な痛み、歩く量を減らせば生じない痛みも、歩数が減る原因となります。

次回は、「歩数が減る要因となる痛みにどう対応したらいいの?」のお話です。

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