023 歩きやすい靴の選び方、元気の芽です

歳を重ねて足の機能が落ちてきても歩く機会を減らさないためには、歩きやすい靴を選ぶことが大切です。

「履きやすい(脱ぎ履きしやすい)」靴は歩きにくい靴ですので歩く機会が減り、要介護になる一因となります。

ここでは歩きやすい靴の選び方をマスターしましょう。

前回ブログの繰り返しになりますが「履きやすい(脱ぎ履きしやすい)」履物の一番はスリッパです。次は手を使わずに脱ぎ履きできる緩めの靴です。もっとも脱ぎ履きしにくいのは手を使わないとできないしっかりと紐を締めた紐靴です。

「歩きやすい」履物の順番はこの逆になり、最も「歩きやすい」のはしっかりと紐を締めた紐靴です。

「しっかりと締めた」は、紐をほどかずに脱ぎ履きができない締め具合です。しっかり歩いても靴の中で足は前後にも左右にも動きません。なので、たくさん歩いても疲れたり痛くなることが少なく、歩きやすくなります。

しかし、脱ぎ履きのたびに紐をほどいたり結んだりするのは手間がかかる、あるいは手指に変形や痛みがある場合は難しいなど、現実的でない面があります。

そこで、普及しているのがサイドチャック付きのウォーキングシューズと、しっかりと締まるマジックベルト付きの靴です。歳を重ねて足の機能が落ちても歩く量を減らさないためにはこのどちらかを選びます。

それぞれに留意点があります。

サイドチャック付きのウォーキングシューズでは紐の締め具合です。サイドチャックを開けずに脱ぎ履きができない締め具合がちょうどです。

マジックベルト付きの靴の場合は、マジックベルトでしっかりと締めることができるものを選んでください。脱ぎ履きのしやすさを優先してしっかり締まらないマジックベルト付きの靴もありますので、歩きやすい靴を選ぶという視点を失わないようにして選びます。

「歩きやすい靴」を選ぶ際に、次に大切なことは靴のサイズです。足の大きさ(足先からかかとの後ろまでの長さ)より少し大きめのものを選びます。足のゆびに変形がない場合は足の大きさ+1cmくらいから試してみるとよいです。

足のゆびに変形がある場合は、歩いた際に変形した足のゆびがあたらないように更に大きい靴が合うことが多いです。特に関節リウマチなどで足のゆびに変形のある方は、高さも含めてより大きな空間がないとすぐに靴の内側に変形した足のゆびがあたりますので、足の大きさ+1.5cm、2cmの靴のサイズを試してみるとよいです。

「歩きやすい靴」を選ぶ際に、大切なことの3つ目は靴の履き方です。

まず靴紐やマジックベルトを緩めて靴の中に足を入れたあと、椅子にすわってかかとをトントンさせてかかとを靴にしっかりとフィットさせます。そして、足首が直角か、少し踏み込んだ位置で靴紐を足の甲の部分でしっかりと締めます。マジックベルトの場合は、靴の甲の両側をしっかりと寄せて留めます。

歳を重ねて足の機能が落ちてきても歩く機会を減らないように、歩きやすい靴を選ぶことで、歩くことが楽しくなります。スポーツ選手が試合に臨む場面をイメージして、靴の選び方・履き方をマスターしてください。