たんぱく質を作っているアミノ酸という素材はヒトでは20種類で、その中の9種類は自分では作り出すことができないため、食事から摂らなければなりません。
「それがどうした!さっぱりわからん!」というお話ですので、体の中でどのようにたんぱく質が作られるのかを少しだけ説明いたします。
食事で食べた動物由来や植物由来のたんぱく質は、消化されるとアミノ酸という素材に細かく分解されてから吸収され、栄養として体の中で利用されます。
体の中ではこの20種類のアミノ酸を素材としてヒトのたんぱく質を作ります。一度、バラバラにして体に取り込み、体の中でヒト仕様に組み立て直しているということです。全身いろいろな場所の細胞が細胞自身の中でバラバラの素材の20種類のアミノ酸を数十から数万個つなげて、たんぱく質を日々作っています。
お肌のコラーゲンもたんぱく質、筋肉で力を出す構造もたんぱく質、骨の硬い成分を支えるのもたんぱく質、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンのような神経の伝達に関わる物質もたんぱく質といったように、元気に生きるために必要なたんぱく質はたくさんあります。
バラバラの素材から作るという点では、20種類の色形の違うブロックで消防車をつくったり、お城をつくったりするのと似ています。消防車なら数十個、お城なら数千あるいは数万個のブロックが必要なのと同じです。
その際に赤色のブロックばかりだと、消防車は作れますが救急車は作れないということが起こります。20種類それぞれ同じくらいの数が揃っていれば、余ったり足らなくなったりせずにさまざまなものを作れます。
同じように、アミノ酸も20種類がそれぞれ同じくらいの数が揃っていると、余ったり足らなくなったりしないで、必要なたんぱく質をどんどん作ることができます。
20種類の素材・アミノ酸が一部足らなくならないようにしておくことは、元気で生きるためにはとても大切だということです。
そのための方法が2つあります。
一つは食事から摂らなければならない9種類のアミノ酸が揃ったたんぱく質の食べ物を食べる方法です。もっとも揃ったものが卵です。
もう一つの方法はいろいろな食材でいろいろなたんぱく質をバランスをよく摂る方法です。この方法は若い方には簡単ですが、食が細くなると少し難しくなります。
9種類のアミノ酸がバランスよく揃った食事を心がけましょう。