015 予防、元気の芽です

本年最終ブログは、10年、20年、30年後も要介護になりたくないという方に最も大切なことをご説明します。

あたりまえのことですが、病気にならないことです。ご高齢の方はいくつかの病気を持っていることがほとんどですので、その場合にはさらに三つ目、四つ目、五つ目の病気にならないことです。別の言い方をすると、「病気を予防する」ということです。人生100年時代、70年、80年、90年使ってきた体・命は、病気になってから治すのでは遅すぎます。

たとえば、骨折や感染症(肺炎、ウィルス感染や膀胱炎など)といった多くの病気は治せる時代ですが、70年、80年、90年使ってきた体・命は治す過程でほとんどの場合に身体機能が低下します。特に入院での治療の場合に顕著です。骨折や感染症という一部分は治せても、全身的には身体機能は低下して要介護になってゆきます。入院がきっかけで寝たきりにつながることもあります。

骨折や感染症を治る病気と油断してはなりません。身体機能低下は治らずにどんどん要介護に向かいます。要介護になりたくない方は、治る病気でも予防することがコツです。骨折や感染症などの背景となる骨粗鬆症や低栄養に早くから対応しておきます。

脳梗塞や心筋梗塞、認知症といった高齢者に多い疾患も予防しましょう。これらは高血圧、糖尿病、脂質異常症などの背景を持って起こりやすくなります。

皆さん、お庭の手入れをするとき、雑草を定期的に取り除くことで、庭をきれいに保ちますよね?雑草を放っておくと、庭全体があれてしまい、美しい花や野菜に影響が出ることがあります。

同じように私たちの体で言えば、糖尿病や高血圧、脂質異常症、骨粗鬆症などは雑草のようなもので、低栄養は栄養のない土にあたります。これらを放っておくと、脳梗塞や心筋梗塞、認知症、骨折、感染症といった重大な健康問題につながる可能性があります。ですから、日々の生活の中で、食生活を見直したり、定期的に適度な運動を行ったりすることが大切です。

骨折、感染症、脳梗塞、心筋梗塞、認知症など、どれもこれもなってから治すという考えは遅すぎです。病気になるまで放っておいて、病気になってから一所懸命治すという昔のやり方だけでは、人生100年時代に元気で自立した生活を維持することはできません。

「病気はなってから治すのではなく予防するもの」の視点で、10年後20年後も要介護にならないことを目指してみてはいかがでしょうか?